井端ジュニアが打って、守って、走って、チームを準決勝進出へ導いた。「NPB12球団ジュニアトーナメント」2回戦、DeNAジュニアの主将で侍ジャパン井端監督の長男・井端巧内野手(6年)が、一振りで試合を振り出しに戻した。1点を追う2回先頭、初球の高め外角球をとらえ、中越えに同点アーチを描いた。スタンドの父が両手で大喜びの中、ベンチ前で本家のDeNA牧同様にデスターシャパフォーマンスを披露した。

井端監督が「何本も見てますよ」といえば、巧も「練習試合とかも含めると200くらいいっているかなと、6年間だったら」という長打力を持ち合わせる。物心ついたときからボールとバット、グラブ、ティースタンドに触れた。小学1年から本格的に野球を始める一方、毎朝午前5時に起きて1時間勉強してから、15分間は欠かさずバットを振る。絵に描いたような文武両道を歩む12歳だ。

テレビゲームもここ2年は興味をなくし、井端監督は「もうホコリかぶってますよ。そろそろ片付けるぞって言っているんですけど。たいしたもんだなと思います」と感心。4回にも左前打を放ち、盗塁も成功させた。今大会6打数3安打、打率5割を誇り、遊撃では父のグラブで無失策を続ける井端ジュニア。走攻守で大物の予感を漂わせた。【栗田成芳】