開幕投手に指名されている日本ハム伊藤大海投手(26)が11日、エスコンフィールドでの自主トレを公開した。3月29日の開幕ロッテ戦(ZOZOマリン)に向け、敬愛するダルビッシュの体の使い方を参考にフォームを微調整中。この日、発表された新スローガン「大航海」には、偶然にも自身の名前「大海」が盛り込まれた。海風舞う敵地で快投し、8年ぶりリーグ制覇へのスイッチを入れる。

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地元北海道で、気持ちとフォームをしっかりと固める。伊藤はオフに入ってから、エスコンフィールドで、じっくり調整を続けてきた。年末年始は実家に帰省も、再び10日から本拠地で自主トレを再開。「今まで北海道でずっと育ってきて、何か初心に戻りたいなっていう気持ちで。少し寒いなって感じますけど、その中でもやってきた自信がある。それを再現できれば」と気を引き締めた。

開幕戦勝利のために取り組むのは打者から右腕が見えにくい“ダル風”フォームだ。「(昨年WBC前の)侍ジャパンの宮崎合宿のときに、ダルビッシュさんのライブBPを見させてもらった。右腕が全くみえなくて、いきなりボールが飛んでくるな、という感じ。ああいうのを一つできたらと思って」。身長や手足の長さは違う。自身に合うよう調整し「参考にしながら自分なりにかみ砕いてオリジナルになれば」。尊敬する先輩のスタイルを“大海風”にアレンジする。

ファンから公募し、8608点の案の中から新庄監督が選んだ新スローガンには、偶然にも自身の名前が盛り込まれていた。「海はエネルギーを感じる場所。開幕投手として、海に出る第1歩でしっかり投げたい。どのチームよりも長く大航海できるように。新庄監督が思い切ってかじを取れるようなシーズンにしたい」。船首で波を切り裂き、24年ペナント争奪“大海戦”の主役になる。

帰省中はほぼ毎日、海釣りに出かけ、年末31日に55センチ、2キロ超えのアイナメをゲットするなど趣味も好調だ。帰省中、鹿部町の神社に初詣した際、「大吉」が出たおみくじに、あるメッセージが記されていた。「『春の暖かい日に』という言葉が入っていた。開幕のことかなと思って大事にしまってあります」。3月29日、ZOZOマリンの海風も味方に付け、19年以来5年ぶり開幕勝利への、流れをつくる。【永野高輔】

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