東都大学野球の国学院大は14日、横浜市青葉区の同大グラウンドでグラウンド開きを行い、1年間の必勝と健康、安全を祈願した。鳥山泰孝監督(49)は選手たちを前に「下級生から経験を積んでいる選手が多い。彼らがいかに中心を担ってくれるか。期待している」と、あいさつすると、選手たちの目が輝いた。「みんな、エネルギッシュな強さを感じる表情をしていましたね」。幸先のいいスタートを強調した。

鳥山監督の視線の先には、今秋ドラフト候補の最速153キロ右腕・坂口翔颯投手(3年=報徳学園)、昨秋、首位打者を獲得した左の強打者・柳舘憲吾内野手(3年=日大三)が、トレーニングに汗を流していた。

坂口は年末年始に兵庫県へ帰省。小、中、高校へあいさつへ行く度「今年は頑張って」「ドラフトはテレビで見ているからな」と、方々で声をかけられた。「僕がプロになれば、喜んでくれる人がたくさんいる。あらためて今まで以上に頑張らなければいけない、と感じた帰省でした」と、プロへの思いを募らせた。

1番の刺激は、ドラフト1位で西武入りを果たした武内夏暉投手(22)の存在だ。「武内さんも下級生でケガをしたのに上級生になってから結果を残した。練習を続けることの大切さを学びました」。今年も、先輩に続く気持ちは固まった。「順位にもこだわって、行くなら上位で。1位の12人に入って当たり前、と言われる選手になりたい」と、強い意志を持って練習をスタートさせた。

柳館は「ドラフトで指名されるのが目標。チームとしては日本一の実現」と、言い切った。昨秋はメンタル面での成長が、結果につながった。「全部完璧を目指していて、欲というか、自分と戦っていた。小さいことを気にせず、気持ちの浮き沈みがなくなったことが大きかった」と、振り返る。東都1部からドラフト1位に6人(国学院大・武内も含む)も指名される中で、首位打者を獲得できたのは大きな自信。「少しは戦えたかな、と思えたのもプロを考えるきっかけになった」。チャンスをしっかりつかむために、常に前向きにバットを振る。

坂口、柳舘と頼もしい投打の柱に、鳥山監督は「これからもドラフト1位を育てる。そこにチームが引き上げられるような。中身と結果にこだわった1年にしたい」と、今年のチームの青写真を描いた。