今年は「投げない勇気」を持って、1年間を戦い抜く。日本ハム金村尚真投手(23)が15日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で年明け初のブルペン入り。捕手を座らせて約30球を投げ、上々の仕上がり具合を確認した。新人王候補の期待の2年目右腕は、渡米する前エースから受けた金言を胸に、大きな穴を埋める活躍を誓った。

   ◇   ◇   ◇

エースが抜ける穴は「投げない勇気」を持った金村が埋める。年明け初のブルペン投球では、そんな気概が垣間見えた。「疲れたら終わろうかな」と捕手を座らせ、直球や変化球を交えて約30球で終了。「そんなに感覚は悪くなく、球も変わりなく、意外と良かった」と手応えもあった。

2年目の目標は、ケガなく先発ローテーションを回ること。昨季は右肩故障で開幕直後に戦線離脱した。同じ過ちを繰り返さないために、先輩たちにアドバイスをもらっていた。「上沢さんや(伊藤)大海さんに聞くと、調子の悪い日は違うことで調整をする。『投げない勇気も大事だよ』って。僕は結構、投げることが好きなので調子が悪い時も投げていたが、投げなくても調整できるようにしたい」。先輩の教えを、今季は実行していくつもりだ。

体は先を見据えても、目標は目の前を見つめる。新人王資格を残しているが「そこを目指すとどうしても…。まずはローテに入れるように」と目標を設定。激しい先発争いが待ち受けるが、「特に誰が来たからっていうのは、僕の中では考えていないです」と、自分との勝負に集中する。

金言を授けてくれた上沢は、米大リーグのレイズとマイナー契約を結んだ。「欲を言えば、もうちょっといろんな話を聞きたかった。活躍してメジャーに行く姿を見ていると、僕もそういった舞台に行けるようになりたいってすごく思う。まずは、上沢さんが抜けた穴をしっかり埋められるピッチャーになりたい」と力強く宣言した。【佐瀬百合子】

【関連記事】日本ハムニュース一覧>>