新打法で20発! 阪神森下翔太外野手(23)は1球1球、考えながらバットを振り込んだ。16日に沖縄・うるま市具志川野球場で自主トレを公開。時にバットを短く、時に左足を大きく開くなど、約3時間の打撃練習。テーマは「回旋」だ。

「しっかり手で打ちにいかずに、(体を)回旋しきって打つというところを意識しています」

強引に腕力だけで振らず、胸をしっかり使いバットとともに体を回しきるフォーム。体の中心でボールを捉えられ、コンタクト率アップにつながるという。昨季から課題に感じつつ、オフでの大改造を決心した。

「(昨季は)もっと上を目指せると感じたシーズン。最低ラインとして20本。これを1つの目標に置いて頑張りたい」

目標は昨季10発からの大台突破。試行錯誤し、重心を下げたフォームには好感触を得た。フリー打撃では推定130メートルの特大弾も披露。それでも「完成形にはまだ遠い」という。昨季限りで引退した元メジャー3冠王、ミゲル・カブレラ内野手(40)のタイミングの取り方を参考にするなど、余念なく研究を続けている。

ウエートトレーニングやタンパク質中心の食事にも取り組み、オフで体重は約5キロ増の95キロ。重さの違うボールを投げ分けるなど送球向上にも励むなど、守備面や走塁面でのレベルアップも欠かさない。昨季はシーズン終了時を含め、3度の出場選手登録抹消を経験。「やっぱりレギュラーとして、しっかりシーズン終わりたい」と力を込めた。仮にプロ2年目でフルイニング出場を達成なら、球団初の快挙。偉業のかかるシーズンも、目の前の結果に集中する。

沖縄では中日上林とともに、午前10時から午後5時近くまでみっちり練習を継続。「(練習は)量も質も取れている。キャンプにも体力面でもつながってくると思う」。一回り大きくなった姿で、キャンプに臨む。【波部俊之介】

○…森下の自主トレをサポートする、野球トレーニングジム「Rebase」(リベース)の池田則仁代表(32)も、20発到達に太鼓判を押す。「打球速度もかなり高い。144キロはメジャーでも上位30%くらいに入る速さ。そのパワーをいかにロスせず使えるか。そこが高まれば、調子が悪くてもコントロールできるので」。同ジムには森下は中大時代から通う。この日も身ぶり手ぶりを交えたフォーム指導が行われた。