今季からプロ野球ウエスタン・リーグに新規参入する「くふうハヤテ」の竹内奎人投手(24=静岡高出)がこのほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。群馬大医学部からトライアウトを経て入団内定を勝ち取った。医師への道を一時“封印”して夢のNPB入りを目指す右腕が、今後の目標や新シーズンへの意気込みなどを語った。【取材・構成=前田和哉】

-今月11日に「くふうハヤテ」の合同練習がスタートした。今の心境は

竹内 朝起きて準備をして球場に来て、思い切り野球をやる。群馬大(準硬式野球部)の時には練習が週3日で時間も短く、自主練に付き合ってくれる仲間もなかなかいなかった。野球に没頭できる環境の中で、プレーできることにすごく喜びを感じている。

-今後の目標は

竹内 個人的には、もちろん、今年のプロ野球ドラフト会議で名前を呼ばれることが大きな目標。そこを目指してやっていきたい。

-NPBを目指すという決断に至った経緯は

竹内 大学3年秋に右肘を手術して、もう1度、体作りから見直した。それが結果(最速147キロ記録など)として表れ、手応えも感じた。その中で「準硬式で終わりたくない」という気持ちが芽生えてきた。同じ年のドラフトで、同級生の池谷(蒼大=投手)がDeNAに指名されたことも1つのきっかけになった。

-今季、その池谷と静岡高時代以来7年ぶりにチームメートになった

竹内 池谷は、ここまで野球で飯を食べてきた人間。取り組みや生活など、見習える部分は吸収したい。池谷は「復帰」という形だけど、同じNPBを目指す立場。今度こそ負けてはいけないという思いもある。お互い、切磋琢磨(せっさたくま)していきたい。

-来月3、4日には医師国家試験が控える。練習と並行して1日5~6時間の勉強に励むなど、医師としての道を捨てたわけではない。野球選手としての挑戦はいつまで

竹内 年齢も年齢。自分の中ではリミットを決めている。だからこそ、今は野球に全力で取り組みたい。

-過去、医学部医学学科からNPBの12球団に入った選手はいない。道なき道を進む戦いが始まる。今季への意気込みは

竹内 140試合と試合数も多い。シーズンを戦い抜く体力をこの合同練習、キャンプを通じてつけていく。赤堀(元之)監督をはじめ、素晴らしい指導者もいる。開幕までの残り約2カ月で成長もできると思っている。開幕に向けて、成長していきたい。

 

◆竹内奎人(たけうち・けいと)1999年(平11)5月29日、河津町生まれ。小1から河津ジャガーズで野球を始め、中学時代は伊東リトルシニア。U-15日本代表にも選出された。静岡高に進み、3年春センバツ出場。一般公募推薦入試で群馬大医学部医学学科に進学。右投げ右打ち。181センチ、83キロ。血液型O。

◆くふうハヤテからNPB入りの条件 現状は、過去にNPB12球団に在籍経験のある選手のみシーズン中に他球団への移籍が可能。NPB未経験者は、プロ野球ドラフト会議で指名される必要がある。