球春到来を告げる豪快アーチだ。阪神の先乗り合同自主トレが29日、沖縄・宜野座で初日を迎え、新打撃フォームに取り組む佐藤輝明内野手(24)が上々のデモンストレーションを行った。

今年初めての屋外フリー打撃。フルスイングした打球が右翼に飛ぶ。日本一達成効果による観客増を見越し、右翼芝エリアに新設された防球の“アレネット”に直撃。さらに、バックスクリーンへの推定飛距離125メートル弾も披露。39スイングで柵越えは3本。

「感覚的には違うところがあるので、また明日やってしっかりならしていきたい」

それでもあくまで試運転。打撃の感触に納得した様子は見せなかったが、圧倒的なパワーは健在だ。

米国仕込みの新フォームの完成が待ち遠しい。昨年12月、米シアトルの最先端野球トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で動作解析やトレーニングに励んだ。長打になりやすいとされる速度と角度を組み合わせた「バレルゾーン」に打ち込むトレーニングや打撃練習用のドリルも学んだ。ややお尻を突き出し、前傾気味で始動。「(体の)使い方が今までの感覚と違うので、そこをしっかり確認しながら練習したいなと思います」。

この日はシアトルで購入したマリナーズの帽子をかぶった。「やっぱり右投げ左打ちの選手を見ていますね」。フィリーズのハーパーやドジャースのフリーマンといった左のスラッガーの映像をチェックし、参考にしている。今年も追い求める打撃はやはり長打。「ホームラン、長打を打てるバッターを目指してやっています」。岡田監督が、三遊間のレギュラー白紙の考えを明かしたが、背番号8はメジャー流の進化で猛アピールする。【村松万里子】

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