西武是沢涼輔捕手(23)の左手は31日、心地よくしびれ続けた。

「今日は大忙しです!!」

ブルペン捕手らスタッフや首脳陣はこの日、座学研修のため不在。球団施設で自主トレする投手陣のブルペン投球を一手に引き受けた。松本、黒田、水上…勢いある球を、いい声を出しながら受けていった。

法大時代は東京6大学リーグで通算4試合のみの出場。22年育成ドラフト2位で指名され、今年でプロ2年目になる。昨年末の台湾でのウインターリーグでは期間中に7度、盗塁を阻止。打撃も含めた活躍に、台湾へ視察に訪れた渡辺久信GM(58)からも「かっこよかった。成長してるな」と褒められた。

西武は1月末時点で支配下選手63人に対し、育成契約は26人。渡辺GMは「もしかしたら5人くらいは」と育成選手の今季中の支配下契約について言及する。捕手ではトミー・ジョン手術のリハビリが長期化するため育成契約となった牧野翔矢捕手(22)が支配下への本命となるものの、是沢もチーム屈指の練習量で力を付けてきた。

プロ1年目を終えたが独身寮は出なかった。隣接する室内練習場で誰よりも練習をこなす。「おまえは練習するからいいだろ」とスタッフからの退寮打診もなかった。うまくなるために愚直に続けていくだけ。

「育成同士で争う、蹴落とし合う…というより、1軍目指してみんなで高め合っていくと考えてます」

だから今年の新人が、特に独立リーグ出身者たちが食事直前までウエートトレをしていることはけっこう刺激になっている。

「まずは2軍で最大瞬間風速でもいいんで、ドンと爆発的なものを出さないと。そこからさらに安定できるように。まあまあいい、くらいじゃたとえ(支配下に)上がったとしてもすぐクビ切られちゃうと思うので。これくらいできるんだぞという数字を残さなきゃダメと思います」

2年目の春、自分の口から危機的な2文字を出す。もう「ルーキー」というきらびやかな冠はない。【金子真仁】

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