マグロパワーでエネルギーチャージした。

DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が宜野湾キャンプ初の休養日となった5日、同2位松本凌人投手(22=名城大)、同4位石上泰輝内野手(22=東洋大)、同6位井上絢登内野手(23=四国IL・徳島)とともに沖縄・国頭のクロマグロの養殖場を訪問した。2000匹が泳ぎ回るいけすでエサを投げ入れ、約30分間の船旅を終え、中トロをおなかいっぱい堪能。6日から始まる第2クールへ和気あいあいとリフレッシュした。

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度会が思わず体を震わせた。新鮮な養殖クロマグロの中トロを口に運んだ時だった。「今まで食べた魚で一番うまいッス!」。写真撮影タイムになっても箸が止まらない。「サトウのごはん持ってくれば良かった…」と後悔しながらも「とてもおいしかったのでまた来たいです」と目を輝かせた。

舌鼓を打ったのは稚魚から養殖を始めて3年目のクロマグロ。おおよそ70キロ、全長150センチまで成長し、25万円程度で販売される。プロ野球選手としては1年目で“稚魚”の度会も「2年後のWBCに選ばれるくらいの選手になるのが野球をやっている身としては一番幸せなこと。そういう選手になれるように頑張りたいです」とマグロのような成長曲線を思い描いた。

養殖場は春季キャンプの冠スポンサーでもあるマルハニチログループが運営するもの。毎年、同社の冠試合が予定されており、ヒーロー賞に選出されれば完全養殖のクロマグロ1本分が贈呈される。「マグロ尽くしにしたいと思います。マグロが一番好きなので。取れるように頑張りたいです」と狙いを定めた。

キャンプ初休日。連続ティーやチームが重視する走塁練習で徹底的に体を追い込んだ。「マグロくらい俊敏に動けたら」とアジリティー(俊敏性)アップを誓うと同時に、人間として、男としても大きくなる。船上から大海原を見つめて、言った。

「海って広いなと。自分の小さな悩みごとなんて海を見たらちっぽけなんだなと思いました。野球で結果が出ないとき、打てないときあると思います。この海を見たときにちっぽけなものだったなと改めて思える。海のような偉大な男に絶対なりたいと思います」

マグロのように、プロ野球“海”を泳ぎ続ける。【小早川宗一郎】

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