巨人山瀬慎之助捕手(22)がハチに引っ付かれ、ゴジラに引っ付きながら、捕手争いに一刺しする。13日、宮崎春季キャンプ第3クールのフリー打撃、1匹の小さなハチが山瀬に狙いを定めた。左太ももに着地。バット片手に必死に振り払い、ホームベース近辺を2周、3周と逃げ回った。正体はミツバチ。チームメートから爆笑されるも「小学生の時に1回刺されてて…2回目刺されたらヤバい。ハチ怖すぎ、めっちゃ怖かった」と笑い事ではなかった。

生存本能が働いた、かもしれない。直後には「ブゥゥゥン」とスイング音とともに放った打球を左翼スタンドに突き刺した。天敵襲来からの一撃に「(ハチで目覚めた?)いやもう、ほんとそうですね」と目を見開いた。

今クールでは星稜(石川)の先輩で臨時コーチを務める松井氏に自らアタック。打撃のトップの位置について「顔とバットが近い。距離を取った方が飛距離も出る」と助言を受けていた。ひっつき虫になって身につけた打法には「良い感覚がある」と手応えを口にした。昨季イースタン・リーグ打率2割6分8厘からのレベルアップを見据えている。

プロ5年目の今季は正捕手・大城卓に次ぐ第2捕手を争う立場。「守備でまずチームNO・1にならないといけない」。シートノックでは、ゴジラが口から放つ熱線のような強肩を見せた。ノッカーの川相守備走塁コーチからボールを受けると、すぐさま座ったまま二塁へ送球。ベース上まであっという間に到達させた。パフォーマンスではなく「今、日本でやってる人がいない。第一人者と言いますか、実戦で使っていこうと思う」とここぞの一刺しのために用意する。

これまで1軍戦には13試合出場。「肩でアピールできている」。肩から放つ熱線で、“必死のハッチ”で自身の立ち位置を確立していく。【黒須亮】