昨季パ・リーグ新人王のオリックス山下舜平大投手(21)が上々の再出発だ。宮崎キャンプの28日、ロッテとの練習試合に登板。故障明けで半年ぶりの実戦ながら、2回1安打無失点で終えた。最速160キロの豪腕の脳裏には、前回登板の記憶がよみがえっていた。

「最後もロッテだったので久しぶりな感じ。まだばらつきはあるけど、全部の球種でいい感覚のボールがあった」。実戦マウンドは5回無失点ながら腰痛で降板した昨年8月26日のロッテ戦以来(京セラドーム大阪)半年ぶりだった。

磨いているフォークが収穫の1つだ。4回1死では安田に1ストライクから2球続けた。まず外角ストライクで追い込み、次は低めで空振り三振。「いいところに落ちたんで良かった」。1年前に野茂英雄氏に教わったものをベースに、時間をかけて改良を重ねた。

代名詞の直球は12球すべて150キロ以上を計測した。最速は154キロ。「もうちょっと出て欲しかったですけど」と不満も漏らしたが、「まあそれくらいかな」と腕の振りとのイメージは一致していた。直後のブルペンで40球を追加し、先発として球数を確保した。

次回は3月上旬の侍ジャパン強化試合(欧州代表戦)を予定。開幕へ調整する中で日の丸を背負って結果も求められるが、厚沢投手コーチは「問題ない。いいパフォーマンスを出してくれると思う」と期待した。初実戦という大きな段階をクリアして「ホッとした」と山下。リーグ4連覇へ、エース山本由伸の抜けた穴を少しでも埋めるべく、準備を進める。【大池和幸】

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