北海道出身の阪神門別啓人投手(19)が2日、日本ハム戦(札幌ドーム)に凱旋(がいせん)登板する。

先発して4イニングを投げる予定だ。幼少時に観戦に訪れ、当時日本ハムだったドジャース大谷翔平に憧れを抱いた思い出のマウンド。しかも同ドームは、今回の阪神戦が最後のNPB開催となる可能性もある。原点ともいえる球場で、新星左腕が未来へのビッグステップを踏む。

  ◇  ◇  ◇

大雪のため約1時間遅れで到着した新千歳空港。1歩外に出ると、氷点下になろうかという寒さだった。雪が顔に吹き付ける中、道産子の門別は慣れたような表情でバスに歩いた。

「直球で押すことは変わらず、一番大事にしたい。どれだけ通用するのかというのはキャンプでだいたい分かったので、それをどう生かしていくかを考えたい」。凱旋(がいせん)登板のプランを描いた。

現状、開幕ローテ争いで割り込みを狙う立場。岡田監督は「評価とかそんなんじゃなしに、今年1年の戦力として投げさすんやから。これからは(他の)先発投手と同じ周りで投げさせていくよ」と、余計な力みやアピールは不要とばかりに厚い信頼を口にした。

今回はエスコンフィールドではなく、札幌ドーム。小学生時に観戦に訪れた思い出の球場だ。一番印象に残っているのはやはり日本ハム時代の大谷翔平。二刀流で躍動する姿がまぶしく、特に投手・大谷は「ただただすごくて、球が速いなあという感じでした」と目に焼き付いている。前日の結婚報道にも「ビックリしました」と興奮気味だ。

ただ、その札幌ドームは日本ハムと札幌市の使用契約が今月で切れるため、NPBの試合開催は阪神2連戦が最後となる可能性がある。札幌ドームでプロに憧れを抱いた少年が、節目のマウンドに上がるというのも不思議な巡り合わせだ。「もうNPBでは使わないかもしれないので、うれしく思って投げられればと思います」。特別な時間になると断言した。

小6時、ファイターズジュニアの一員でドームに足を踏み入れたが、投げたのは前方から。今度は大谷と同じマウンドに立てる。

出身はドームから100キロ弱の日高町(旧門別町)で、家族や親戚、知人もたくさん観戦に訪れる予定。「あまり情けない姿は見せたくないので、できれば抑えたい」と照れ笑い。北海道からも関西からも熱い視線を浴びる新星が、思い出の札幌ドームに錦を飾る。【柏原誠】

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>