侍の輪に飛び込んだ。大学生にして侍ジャパンに招集された明大の宗山塁内野手(3年=広陵)が5日、練習に初参加した。西武源田壮亮内野手(31)、阪神中野拓夢内野手(27)という昨季のゴールデングラブ賞受賞の二遊間と一緒に受けたノックでは、負けじと軽快なグラブさばきを披露。「この空気感は大学生と一緒に野球をするのとは全然違ったものがあります。普段通りやりながら、しっかり聞きながら吸収できたら」と、緊張感と高揚感が入り交じった初日を終えた。

自然派生的に集まった内野手陣に向かって素朴な疑問をぶつけた。「プロ野球ってどんな感じなんですか」。今秋のドラフト会議で1位指名筆頭候補。源田、中野に小園も加わった野球談議では「契約金1億の(年俸)1600万はもう決まっているもんね」と、満額のいじりを受けながら歓迎された。源田のグラブを借りて身ぶり手ぶり、道具から技術論、心構えまで、プロの世界を肌で感じた。

最高のお手本を目の前にして、感覚を研ぎ澄ます環境こそ、井端監督が思い描いた光景だった。同監督が若手だった中日時代、遊撃の名手・久慈の背中を追った。一緒にノックを受け、その華麗な動きを見よう見まねする一方、巨人から移籍してきた川相(現巨人内野守備コーチ)の堅実さを吸収した。

宗山も「後ろで見ていてエラーしそうにない。本当にどんな打球でも捕れるんだろうなと感じました。いろんな球場で試合もある難しい状況でも1年間戦い抜く、そういう安定感を見ていて感じました」という最高の授業。源田先生を「すごいうまい」とうならせる優等生ぶりだった。

明大でのオープン戦で右肩裏に死球を受けた影響で、打撃練習では6、7割程度の力加減にとどめ「どんどん良くなってきてるので自分の状態を確認しながら」と慎重に見極める。問題なければ第2戦(7日)でスタメンの可能性もある。「慣れない状況でいかに自分の力を出せるか。いい準備をしたい」。春の課外授業で、最高の成績を収める。【栗田成芳】