日本一打線がいよいよお目覚めだ。昨季38年ぶりの日本一を達成した野手8人に7番井上を加えた豪華メンバーが、3回までに10安打5得点と一気につながった。今春オープン戦でチーム初の2桁安打を記録。打線は6連敗中の6試合で計32安打14得点と湿り気味だったが、開幕3週間前にきて上昇気配が漂ってきた。

初回は上位打線発の「黄金パターン」で先制点を奪った。ヤクルト石川に対し、1番近本が5球目の内角高めをとらえて左前打。2番中野も失策で出塁し、1死二、三塁に好機を広げる。4番大山は131キロ直球をはじき返し、痛烈なライナーで左前に適時打を決めた。主砲は「結果的に良かった。残りの試合も少なくなってくるので、打席でいろいろ考えながらやりたい」と冷静に納得。1番近本が出塁してクリーンアップがかえす-。虎打線が通常モードに入りつつある。

1点リードの2回では下位打線発の「黄金パターン」も発動させた。1死から8番木浪が右前打で出塁し、1番近本の右前適時打で追加点。下位打線から得点につなげる流れは今季も健在だ。近本は2打数2安打1打点と好調。「石川さんは石川さんの打ち方があるので、それはできた」。シーズンでも戦うベテラン左腕との対戦で手応えをつかんだ様子だ。

岡田監督は「自分で調子上げていけばいいだけの話や。個人個人に関してはな」と主力への厚い信頼を言葉にした。24年も虎打線は「つなぎ」がテーマになりそうだ。【村松万里子】