阪神左翼バトルは一騎打ちの様相を呈してきた。有力候補のシェルドン・ノイジー外野手(29)は春季キャンプ中に発症した右肘痛が回復し、今春初めて左翼で先発。1安打と背走キャッチ3連発で問題なしを強調した。一方、対抗の前川右京外野手(20)も2安打1打点に加え、右翼守備でもトリックプレーを決めるなど攻守にアピールした。

開幕左翼争いでは昨季133試合出場のノイジーがリードしているとみられるが、岡田監督は「そんなことないよ。まだ今日1日だけやんか」と確定は先送りした。競争はさらに激化しそうな情勢。他にも小野寺や井上ら候補はいるが、徐々に2人による一騎打ちの雰囲気が漂ってきた。

5回はノイジーの美技に歓声が上がり続けた。先頭浜田の左飛を捕球すると、続く北村拓のフェンス際への強い打球をジャンピングキャッチ。3番塩見の当たりは体を右にひねらせてつかんだ。バットでも4回に痛烈な左前打。来日2年目の助っ人は「患部の状態はいい。悪い送球もあったのでしっかり修正していきたい」と目をギラつかせた。

一方の前川は2点を追う4回表、汚名返上のプレーだ。1死二、三塁で8番松本直のライナー性の打球を直接捕球すると見せかけた後、ワンバウンドでキャッチ。三塁走者の内山は1度タッチアップに戻りかけ、バウンドを確認してから本塁へ再突入したが、カットマンの二塁手・中野からの本塁返球に屈した。

前川は前日8日ヤクルト戦で8回に右翼ファウルゾーンへの飛球を落球し、大逆転負けのきっかけを作っていた。「昨日はチームにも悪いことをしてしまった。1日1日、チームに貢献できるようなプレーをしたい」。この日は打っても4回裏1死一、二塁から右翼ライン際へ適時二塁打を放つなど2安打。開幕まで3週間を切ったが、ハイレベルな争いの決着はもう少し先になりそうだ。【村松万里子】

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