ホーム開幕戦を迎えたオイシックス新潟は、楽天に2-2で引き分けた。

5回からマウンドに上がった2番手の西村陸投手(23)以降、4人の継投で5回から延長11回まで1人の走者も許さず、楽天打線を封じ込めた。9回には2点差を追い付く同点劇を見せ、2407人が詰めかけたハードオフ新潟を沸かせた。24日も楽天と対戦する。

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橋上采配がズバリ当たった。2点ビハインドの5回から登板した4人の救援投手が、延長11回まで1人の走者も許さず、橋上秀樹監督(58)の期待に応えた。9回の同点劇を呼び込んだパーフェクトリレーに指揮官は「出てきたピッチャーがみんな失点せずにね、自分の役割をしっかり果たしてくれた。そこが9回に追いつけた大きな要因だった」と拍手を送った。

空気を変えたのは2番手で登板した西村だった。2年目の今季から先発に挑戦をしていた右腕は、20日の西武戦で先発2回3失点でKOされ、中2日で中継ぎに回った。「打たれているのが全部の高めの球だった」と前回登板の反省を生かして、低めに制球することを意識。結果、3回を打者9人で抑える完全投球で起用に応えてみせた。「真っすぐも動かしながら、打たせて取る投球が出来た。そこが良かった」。苦い思いをした分、与えられた場所で腕を振った。

その後のマウンドを引き継いだ救援陣も見事だった。3番手の内田健太投手(23)は2回2奪三振。3番手の守護神上村知輝投手(24)も1回を10球で片付け、最後はベテラン吉田一将投手(34)が1回1奪三振で締めた。

誰かのミスは全員でカバーする。先発の薮田和樹投手(31)が試合前から降り続けた雨の影響もあってか、コンディションが上がりきらず、4回2失点108球で降板。そんな事態でも4人のリリーフ陣が踏ん張りを見せた。先発ローテーションもまだ確定出来ていない台所事情の中、中継ぎ陣の奮闘は心強い。【大島享也】

 

○…知念大成中堅手(23)のラッキーな長打が、9回同点劇の口火になった。0-2で迎えた9回1死一、二塁。「ボールだ。ヤバい」と慌てて止めたバットの芯に、球が当たって左翼線への適時二塁打になった。「当てた瞬間、どこに飛んだか分からず打球を探した。ベンチとスタンドが沸く中で、行方を確認して二塁まで走った」。体勢を崩されての安打だけに、知念は決して満足しなかった。それでも橋上監督は「あれも野球と言えば野球」と幸運な長打をほめていた。