ノリノリムードの東京ドームが、一瞬静まった。阪神門別啓人投手(19)が今季初登板で1回1安打無失点の快投を見せた。5点ビハインドの8回に登板。初めて味わう伝統の一戦だ。味方が直前に3者凡退に倒れたことも相まり、球場の雰囲気は完全に巨人一色。完全アウェーにも臆することなく、堂々と投げきった。

「ランナーを出しながらでも、しっかり冷静に投げられたと思う。そこはすごく良かったと思います」

1死から丸に左前打を浴びたが、慌てなかった。続く吉川を左飛、代打郡をこの日最速146キロ直球で空振り三振。「真っすぐの反応は投げていていい感じだと思った」と全12球中10球で直球を投じた。「あとは変化球でカウントを取れれば、もっと楽に投げられると思う」と課題も明確だ。

今季は中継ぎとして開幕1軍入り。昨季は2試合に登板したが、いずれも3回以上を投球。1イニング限りの登板は初めてだった。

「ずっと、どういう場面で行くのか考えながら(試合を)見ていた。気持ちの準備はできていたので。だから投げられたのかなと思います」

前日29日には加治屋が1失点。この日は石井が2失点を喫した。連日中継ぎで失点を喫した中での好投。春季キャンプから岡田監督から高い評価を受けてきた19歳。指揮官が言う「先発予備1番手」としての立場は変わらないが、リリーフとして臨んだ今季初登板で存在感を示した。【波部俊之介】

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