関甲新学生野球リーグ1部で唯一の国立大、新潟大が「打倒私学」に燃える。4番を担う主砲の田西誓(3年)は、本塁打王奪取を宣言。守備ではベストナインを獲得した捕手に加え、三塁手で出場する可能性も高い。持ち味の長打力とユーティリティーな守備で、チームを勝利に導く。6日の開幕戦は山梨学院大と対戦する。

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多才な男だ。捕手で昨秋のベストナインに輝いた田西はこの春、三塁での守備練習も行ってきた。「春は捕手で出場なのか三塁か、分からない」とけむに巻いたが、主軸の2段構えを学生監督の上村啓次郎監督(3年)は「走ってくるチームには肩のいい田西を捕手に置くが、三塁に置いた方がうまくハマるケースもある」と説明。対戦相手や戦況によって切り替えるプランを明かした。

石川・小松高には捕手で入部。一塁手を経て3年夏は三塁手と投手を務めた。そんな守備のユーティリティー性も持ち味だが、田西は「ベストナインより、本塁打王を取りたい」とバットへのこだわりを口にする。昨春は4番指名打者で出場した関東学園大戦で1発を放つと、群馬大との入れ替え戦でもアーチ。勝負強さをみせ、2勝1敗での残留につなげた。昨秋も常磐大戦で1本塁打をマークするなど、長打力には自信を持つ。

1部リーグの国立大は新潟大1校。室内練習場はなく、「圧倒的に練習量は少ない」と自覚する。それでも環境面を言い訳にはせず「1部で野球を続けることを考えている」と力を込めた。私学勢も、ひるむことなく打ち砕く。【涌井幹雄】

◆田西誓(たさい・ちか)2002年(平14)4月27日、石川県小松市生まれ。小松高卒。野球は小3から今江野球クラブで開始。右投げ、左打ち。179センチ、92キロ。血液型B。