日本文理OBでロッテの22年ドラフト3位、プロ2年目の田中晴也投手(19)が初の凱旋(がいせん)マウンドで1軍昇格をアピールした。

オイシックス戦で、プロ入り後初めて新潟での試合に登板。先発で7回を3安打無失点に抑えた。成長した姿を披露するとともに、地元ファンに今後の飛躍を予感させた。

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躍動した。田中晴が集まった809人の地元ファンに堂々の投球を見せた。初回、オイシックスの先頭、藤原大智(24)を見逃し三振に切って取り、試合の主役におどり出る。

4回までに3安打2四球を許すが、5回以降は走者を出さない。この日の最速は自己最速の151キロに迫る150キロ。「三振を取りたい場面で取り切れた」。7回2死、オイシックス8番小西慶治(26)を低めの直球でこの試合4個目の三振に仕留めるなど、要所で力勝負を制した。

「いいピッチングができた。それが新潟の地でうれしかった」と素直に喜んだ。新潟での試合は日本文理3年の夏、2年連続甲子園出場を決めた22年7月28日の新潟大会決勝の帝京長岡戦以来、639日ぶり。観客席で日本文理の現役部員たちが見つめる中、今季のイースタン4試合目の登板は、プロ入り後最長の7回まで伸びた。

この間、味方が無得点だったためプロ初勝利はつかなかったが、前回登板の14日楽天戦の5回無失点に続く好投は1軍初昇格へプラス材料になった。「(1軍は)簡単なところではないが、まずは2軍の中で1番の先発投手になること」と手ごたえを感じながらも気の緩みは見せない。

敵将、オイシックスの橋上秀樹監督(58)も「新潟出身の選手が成長している姿を見るとうれしく思う」とたたえた。「いつでも(1軍に)呼ばれていい準備はできている」と田中晴。イースタンでの凱旋はこれが最初で最後にする。【斎藤慎一郎】

◆田中晴也(たなか・はるや)2004年(平16)6月6日、長岡市生まれ。四郎丸小2年から赤城ベースボールクラブで野球を始める。長岡南中では軟式で、3年の時に県大会3位。県選抜入りし、全国都道府県対抗で準決勝進出。日本文理に入学して1年生の秋からベンチ入り。2年の春から背番号1。2、3年の夏の甲子園出場。22年のドラフト会議でロッテに3位で指名される。186センチ、92キロ。右投げ左打ち。

○…今季初先発のオイシックスの前川哲投手(27)が4回を1安打無失点にロッテ打線を抑えた。3回2死まで1人の走者も出さず、計40球で投げ終えた。先発は25日に告げられた。ここまでの登板9試合はいずれも中継ぎ。それでも「どこでもいける準備はしていた」。武器の直球に「封印を解いた」というチェンジアップを織り交ぜる冷静さもあった。橋上秀樹監督(58)は「うちでは球威は上の方。次ぎも先発で」と期待を寄せた。