日本ハムがオリックス戦でミスから逆転負けを喫した。打線はプロ野球史上初の1安打で4得点を奪い「せこせこ野球」でリードを奪ったが、守備では今季1試合ワーストの3失策とリードを守りきれなかった。開幕から5戦全勝だった1点差試合も今季初の敗戦。ゴールデンウイーク最後の本拠地開催となる29日同戦では気持ちを切り替え、2カードぶりの勝ち越しを目指す。

終わってみれば、勝つことは難しい数字がスコアボードに並んでいた。安打を示す「H」欄には5回にマルティネスが放った適時二塁打の「1」だけ。それでも得点を示す「R」欄には「4」。1安打ながら4得点を奪うのは、プロ野球史上初の“快挙”だったが、投手陣は10安打を浴びて5失点。エラーの数を表示する「E」の欄には、今季1試合で最多となる「3」が入っていた。

新庄監督が開幕前に話していた理想の展開で、勝利の道は切り開けたはずだった。開幕前日に「相手が防げない点の取り方をして、ピッチャーがしっかり抑えて勝つ」と話していた、そつなく得点を重ねて守り勝つ「せこせこ野球」。4回は四球と失策で満塁とし、2つの押し出し四球と無安打で2得点。1リーグ時代の阪急が39年5月6日に南海とのダブルヘッダー第2戦(甲子園)で記録して以来となる無安打勝利の可能性もあった中で、ミスから理想的な展開は暗転した。

2点リードの5回1死二塁では三塁清宮が一塁へ悪送球。1点リードの7回無死一塁では捕手田宮が二塁へ悪送球。いずれも失策が記録され、2度とも同点とされる悪循環。投手を中心に守り勝ちたい「せこせこ野球」で守備のミスが重なっては、勝ちきることは厳しかった。

新庄監督は試合後、コメントをひと言だけ残した。「(今カードは)1勝1敗。たくさんのファンが見に来てくれているから明日は勝つ! 」。あえて試合内容には触れず、球場を後にした。29日はゴールデンウイークのエスコンフィールド開催最終日。気持ちを切り替え、快勝で締めくくる。【木下大輔】

日本ハム谷内内野守備走塁コーチ(3失策での敗戦に)「今日は守備で落としたゲームだと思います」

▼日本ハムは4点を挙げたが、安打は5回のマルティネスの1本だけ。1安打に抑えられた試合で3得点したのは93年10月9日近鉄戦のロッテまで過去10度あったが、4得点したのは史上初の珍しいケースとなった。

日本ハム清宮(4打数無安打、守備では5回の失策が失点につながる)「打撃も貢献できませんでしたし、守備でも迷惑をかけた。(悪送球で失策となったプレーは)判断ミスです。捕った体勢もよくなかったですし、慌てる必要はなかった。明日は明日で切り替えて、新たな気持ちでいきたいと思います」

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