全セの広島坂倉将吾捕手(26)が球宴3人目の満塁アーチを放った。67年の大杉勝男(東映)以来。2点を追う2回2死、楽天藤井の高め直球をとらえた。2年ぶり2度目の出場で、初安打が一時は逆転となる一撃。敢闘選手賞とマイナビドリーム賞(各100万円)を引き寄せた。「満塁だったので思い切って振ろうと。いい感じで振り抜けた」と胸を張った。
夏真っ盛りの球児に負けじと、懐かしの地でメモリアルアーチだ。打球は夜風にも乗り、あの時と同じ方向へ。日大三2年夏の西東京大会準々決勝・昭和戦。バックスクリーンへ1発を放り込んでいた。同高1年秋から全国区の強豪の4番に座り、何度もプレーした神宮球場だった。その場所で、57年ぶりの偉業。「全然実感がない」と苦笑いだった。
歴史的1発に球団を超えた“アシスト”があった。坂倉の前打者の場面。1死満塁からDeNA度会の左翼への大きな飛球で、三塁走者のヤクルト・サンタナはタッチアップせず。度会に向け、申し訳なさそうに頭を下げた。手を抜いたわけではない。リーグ戦中に左足裏痛を負い、15日に出場選手登録を抹消されていた。5日の巨人戦以来の実戦で無理ができなかった。
坂倉自身も「(サンタナが)止まってくれたので、よし、行ったろうと思いました」と感謝した。ベンチに戻ると新井監督に「シーズンで打ってくれ」と言われ、頭をかいた。前半戦は4本塁打どまり。この一撃から、状態を上げていく。【大池和幸】
▼坂倉が2回に球宴初ヒットとなる逆転満塁弾。球宴での満塁本塁打は、63年<2>戦の榎本(大毎)67年<3>戦の大杉(東映)に次いで57年ぶり3人目。セ・リーグの選手では初で、球宴初安打が満塁弾となったのも坂倉が初めて。榎本は0-6のビハインドから、大杉は0-0から先制の1発で、逆転満塁本塁打は球宴史上初めてだ。



