劇的な一打に言葉を詰まらせた。巨人吉川尚輝内野手(30)が値千金の逆転弾を放った。
1点ビハインドの8回2死一、二塁。中日斎藤の代わりばなの初球を捉えた。内角高めに抜けた125キロスライダーを体を回転させながら振り抜いた打球は、右翼ポール際に飛び込む今季1号逆転3ラン。お立ち台では「本当に何とかしたい気持ちもそうですけど、まず同点にっていう中で最高の結果になった」と、思わず感極まった。
ここぞの場面でよみがえった。得点圏での適時打は5月1日広島戦(東京ドーム)での第2打席以来、54打席ぶり。チームも4連敗中だった中での逆転アーチに「とても苦しい状況でしたし、僕もなかなかいい場面で打てないこともあったので」としみじみ。阿部監督も「あれは尚輝にしか打てないんじゃないかなと思います」と絶賛した。
今季も攻守でチームをけん引している。昨季は二塁で全試合先発出場。自身初のベストナインとゴールデングラブ賞を受賞した。今季もここまでチーム唯一の全試合先発。長野、坂本、丸、岡本といった主力が不在の中、スタメンに名を連ねる吉川は「ベテランではまだないかもしれないですけど…やらないといけないなという思いはここにいるみんな多分思ってると思う」とチームリーダーとしての自覚を漂わせた。
吉川の1発でチームは貯金「1」となった。それでも見据えるのは日本一の景色だけ。今年1月の自主トレ公開の際には「日本一になって輝けるように」。そう言い放った男が最高の場面で輝いた。【水谷京裕】



