プチ鬼門もあっさり突破してもうた! 阪神が劇的な逆転勝利を収め、両リーグ最速で60勝に到達した。2点を追う8回無死一、二塁、4番佐藤輝明内野手(26)が右中間スタンド最深部に28号逆転3ランを運んだ。今季唯一負け越している中日を相手に結局は完勝。貯金を今季最多の23に増やし、優勝マジックは1減の33となった。

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ビジター席の大歓声を全身に浴びながら、佐藤輝はゆっくりと打席の足場をならした。2点を追う8回無死一、二塁。虎党の願いは1つだった。期待に応えるように、仕留めた放物線は中堅席右へ一直線。中堅手の岡林はすぐに追う作業を諦めた。値千金の逆転130メートル弾だ。

「なんとか打点を、というところで。最高の結果になってよかったです」

カウント1-1から中日3番手橋本の146キロ直球を捉えた。それまでは2つの見逃し三振を含む3打数無安打に倒れていたが、ここぞの場面で最高の結果を出した。2試合ぶりの今季28号3ラン。71打点とともに、依然両リーグ2冠を走り続け、シーズン40発ペースとなった。

打たれた中日橋本は、本塁打を浴びないことで有名な投手だった。昨季は47試合登板で被本塁打ゼロ。今季も37試合目でこれが2度目の被弾。加えて、舞台は広いバンテリンドーム。本塁打が難しい条件がそろう中での豪快弾だ。同球場での本塁打は今季すでに4本目。「良い当たりじゃないとなかなか入りにくい球場。それだけ打てているのは自信になります」と手応えをにじませた。

この日、中堅から間近で打球を見届けていた中日岡林もそのパワーには驚嘆している。23年のアジアプロ野球チャンピオンシップ、今季の球宴でも共闘した間柄。シーズンでは敵として外野を守る中、脅威を感じているという。「守っていて怖い。泳がされたと思って前に行くと、それ以上に飛ぶので前に行きにくい。あんなに飛ぶのはすごい」。3年連続でゴールデングラブ賞を受賞している外野手でさえ、そのパワーに打球判断を誤りかねないのだ。

チームは両リーグ最速で60勝に到達。貯金は今季最多タイの23となり、優勝マジックも「33」となった。9連戦初戦をモノにした事実は大きい。

「逆転ですし、めちゃくちゃ大きいんじゃないですか。いいゲームができたと思います」

甲子園を離れた長期ロード中も、主砲の快音は止まらない。【波部俊之介】

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