八戸学院大が首位青森大との延長10回タイブレークの激闘を2-1で制し、逆転5に望みをつないだ。前週まで調子を落としていたエース小林直生投手(4年=聖和学園)が146球の熱投。1失点完投でマウンドを守り抜き、同率首位に並んだ。今日15日の2戦目で勝利したチームが優勝する。ノースアジア大は5位、岩手大は6位で全日程を終えた。富士大は青森中央学院大にコールドで先勝。2戦目で勝った方が3位、負けた方が4位となる。

日が落ちたマウンドでも、背番号「18」は輝いていた。延長に入っても小林の勢いは止まらなかった。1点リードの延長10回1死二、三塁から2者連続三振。エース復活の雄たけびが響いた。「優勝が懸かる中でこういうピッチングができて本当にうれしいです」。首位を走り、勢いに乗る青森大打線相手に11奪三振。まるで、霧が晴れたような投球だった。

この秋は首をかしげる日々だった。第4週の富士大との1戦目は4失点で、1回持たずして降板。翌日2戦目も先発し、3回1/3を投げ6失点。「この4週間はチームのために腕が振れませんでした」。理由は明白だった。春は長い冬での成長が自信になっていた。だが、春のデータを取られた上で勝負する秋。「そこを上回らなくてはいけないという思いで、メンタルの整理がつかないまま投げて、結局腕が振れないという悪循環で…」。迷いながら秋を迎えていた。

最終週を前に背番号を見つめた。「18を背負う者として、切り替えるしかない」。何かが吹っ切れた。新沼舘貴志監督(43)からも「なんのために背番号18を託したのかを見せてくれ」と背中を押された。負けたら終わりの大一番で見せた。指揮官も「100点です。やっぱりチームを勝たせるエースであってほしいので。仲間も『なんとしてでもエースを負けさせない』という意識だったので、チームでつかみ取った勝利です」とうなずいた。

勝てば優勝、負ければ大学野球が終わる最終決戦。背番号18を背負う者のあるべき姿とはなにか-。まだ答えは見つかっていない。それでも小林は「簡単にマウンドを降りてはいけない。譲らない。チームの勝利が一番ですが、そういう姿を最終戦で体現したいです」と真っすぐとしたまなざしで、力強く言った。もう心配は要らない。【木村有優】