ソフトバンク小久保裕紀監督(53)の長男で会社経営の小久保直紀さん(28)が日刊スポーツの取材に応じ、指揮官の素顔を明かした。身内として侍ジャパン監督時の苦悩を知っているだけに、今年のリーグ連覇には感慨深げ。現在は起業家として活躍する直紀さんがさまざまなエピソードを交えて語った。【取材・構成=只松憲】
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「オヤジ、ホークスのみなさん、連覇おめでとうございます! 昔はオヤジがホームランを打てばうれしかったですが、今はチームに勝ってほしいし、選手の努力も報われて欲しかったのでとてもうれしいです」
興奮気味に話した直紀さん。幼少期は「少しだけ寂しかった」と語る。野球選手だった父はナイター後に帰宅し、直紀さんは就寝後というのが常。妹春菜さんと学校に行く前に声をかけると、眠そうな声で「あぁ、いってらっしゃい」と返ってきた。寂しかったが自慢の父。「大好きな猫をなでている時はメロメロです」。高校入学祝いでは「高価な贈り物をするのは1回きりや」と腕時計をプレゼントされた。「今でも大切に持っていますよ」。侍ジャパン監督時には日本中から大バッシング。身内としてつらい過去を知っているだけに「報われて良かった」と感慨深げだった。
大人になると「小久保裕紀の息子」が重く感じた。「そのコンプレックスを脱却したくて新しく会社を立ち上げました。今では自分の存在価値を見つけられています」。アスリートやタレントのマネジメントなどを行う合同会社「TALENZA」を今年立ち上げ、夢を持つ人々をサポートする。父やアスリートの努力を間近で見てきたからこその挑戦。将来のアスリート誕生のために少年、少女たちの支援もビジョンに掲げる。「オヤジや選手の努力を見てきたおかげで新しい挑戦を始めようと思った。オヤジの息子で生まれたからこそ、挑戦を後押しして夢をかなえる人を支援したいと思った。今年は僕の中でもターニングポイントでしたね」。連覇を果たした指揮官の息子も輝いていた。
◆小久保直紀(こくぼ・なおき)1997年(平9)2月4日、福岡市出身。7歳から日本舞踊を習い、野球は小学4年まで続けた。百道中を経て東福岡高校に入学するも、英語を学ぶために留学を決意。カナダ、アメリカで約3年間を過ごした。オペラシンガーのレッスンを受けたことをきっかけに音楽に没頭。15年の帰国後はシンガー・ソングライターとして活動した。17年9月26日のソフトバンク-ロッテ戦(ヤフオクドーム)では試合前の君が代独唱を務めた。現在は合同会社「TALENZA」のCEO。妹は23年のミス・アースジャパンで2位に入賞した小久保春菜。182センチ、68キロ。



