<西武10-2ロッテ>◇8日◇西武ドーム

 西武石井一久投手(40)の引退セレモニーが、ロッテ戦の試合後、西武ドームで行われた。

 大型ビジョンでプロ22年を振り返る映像とチームメートの惜別メッセージが流され、スピーチでは涙ぐんだ。

 「ちゃんとしゃべれるかわかんないですけど、聞いて下さい。最終戦のこんな大一番でセレモニーを開いていただき、ありがとうございます。僕は千葉県出身なので、ロッテファンの前でセレモニーができてよかったです。

 6年前、西武に誘っていただいたときに正直迷いました。ヤクルトでもう1年やって無難に終わっていいかなと思ってましたが、西武にいけば新しい人と出会えて、新しい引き出しが増えると思ったら、決断に時間はかかりませんでした。文句も言わず、家族も一緒になって応援してくれました。毎朝6年間お弁当をつくってくれて、野球人生をのんびり、のほほんとできたのも、妻のおかげだと思います。息子の幹大(かんた)には、背中を見せてきたつもりです。これからは幹大の頑張っている背中を見るのが、お父さんとしての楽しみです。

 西武ライオンズのみなさん、こんなわがままボーイを面倒みていただき、ありがとうございました。渡辺監督、こんなヘボピッチャーを6年間信用していただき、ありがとうございました。6年前、あったかく迎え入れてくれたチームメートといると、次の試合をがんばろうという気持ちになれました。

 ファンのみなさんの頑張れコールのおかげで、僕みたいなヘボピッチャーが普通のピッチャーにレベルアップできたのを覚えています。西武ライオンズはもっと強い球団になっていくと思います。あったかくて思いやりがあって、向上心のある選手ばかりです。みなさんの夢を西武ライオンズに託しても、間違いありません。本当にありがとうございました」

 セレモニアルピッチでは、彩子夫人(42)が見守る前で、長男の幹大(かんた=11)くんのストライク投球を受けた。場内の声援にこたえるため、電動立ち乗り2輪車セグウェイに乗ってグラウンドを1周。「カズヒサ」コールを受け、何度も頭を下げた。チームメートの手で6度宙を舞い、現役生活に幕を閉じた。