<全日本大学選手権:上武大10-0天理大>◇13日◇準々決勝◇神宮

 上武大(関甲新野球)に初の4強をもたらしたのは鈴木稜也投手(1年=拓大紅陵)だった。

 大会直前に登録され、公式プログラムにも名前がない。そんな1年生が公式戦初登板の試合で、被安打2の無四球完封(8回コールド)してしまった。

 ヒーローは「ふだんは三振を取りにいくんですが、今日は雨の中だったんで、打たせてとる投球にしました」と話した。持ち球シンカーがさえ、わずか79球の完封劇だった。

 「暑いのは弱いんですが、涼しかったんで」。降りしきる雨も気にしなかった。試合中、ベンチ裏ではバナナ5本を平らげたという。

 谷口英規監督(44)は「制球がいいのと、ものおじしないんで。でもここまでやってくれるとは。昨日もベンチ裏でムシャムシャ食べていた。宇宙人ですよ」とびっくり顔で話していた。