<阪神3-2横浜>◇22日◇甲子園
阪神石川俊介投手(23)が、思いきり右足を蹴りあげた。1点リードの5回だ。1安打2四球で2死満塁。こん身の1球は外角146キロ直球。横浜村田のバットは動かない。思わずガッツポーズが出た。負けられない一戦で、プロ初先発初勝利。横浜を5回4安打2失点に抑えた。
石川
矢野さんが連続でストレートを出してくれた。それに応えようと思った。
巨人に3連敗を喫し、首位に並ばれた。優勝の行方を左右しかねない一戦でプロ初先発。重圧は計り知れないが「さすがにプレッシャーはあったけど、投げられる喜びが強かった」と動じない。ストライクを先行する小気味よい投球で、5回71球で投げ終えた。失点は吉村の2ランだけ。ルーキーらしからぬ落ち着きで、連敗を3で止めた。
「無理してこないでもいいけど…」。父文男さん(52)、姉さゆりさん(25)らを球場に招待した。家族を思う気持ちは人一倍強い。大学1年の冬、母淳子さん(享年44)を亡くした。それからも支えてくれた家族がネット裏にいた。21日は父の誕生日。1日遅れで父に、そして天国の母に最高のプレゼントを贈った。
高校のときから母に「プロにいくから」と宣言していた。7月11日、1軍初昇格を果たした時は、すぐに姉に連絡し、母の仏壇にお線香を上げてもらった。念願のプロ初勝利。ウイニングボールの届け先は決まっている。「亡き母にささげたいと思います」。石川は笑顔だった。【佐井陽介】



