「飯塚の星」が、杜(もり)の都で奮闘中だ。楽天の新人合同自主トレは13日、Kスタ宮城で2日目が行われた。6位指名の辛島航投手(18=福岡・飯塚高)は昨夏、同校初の甲子園出場の立役者となり、飯塚市の“町おこし”に貢献。家族のため、故郷のため、地元福岡での1軍登板に向けて汗を流している。
白い息を吐きながら、グラウンドを駆け抜けた。辛島はこの日、ほかの新人とともにKスタ宮城の外野ポール間でのインターバル走を敢行。「きれいな球場ですね。足がやばいです…」。その笑顔が、生まれ育った福岡を離れて仙台で始まったプロ生活での充実感を、物語っていた。
昨夏県大会、辛島は5試合で完投し、同校を創部47年目で初の甲子園に導いた。飯塚市のある筑豊地区では80年の田川以来28年ぶり甲子園出場という快挙。甲子園では浦添商(沖縄)に初戦敗退も、エースとしての辛島の活躍は、地元住民に元気を与えた。
飯塚市は03年7月に集中豪雨に見舞われ、約700戸が浸水。昨年4月には市中心部の商店街で大規模な火事が発生し、多くの店舗や住宅が被害を受けた。そんな暗いニュースが続いた町に、辛島はその左腕で希望をもたらした。昨秋、楽天入団が決まると、商店街は垂れ幕を掲げて祝福してくれた。
ムダな動きのない辛島のゆったりとした投球フォームは、中学の時に祖父弘明さん(65)から仕込まれた。家族や地元市民は、福岡ヤフードームでの登板の日を待っている。「地元で1日も早く投げられるように、頑張っていきたい」。故郷に勇気を与え続けるため、辛島の挑戦の日々が始まった。【由本裕貴】
[2009年1月14日11時37分
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