ダルさんがいない間はオレが主役や!

 日本ハム中田翔内野手(19)が15日、紅白戦に7番三塁で出場し、今キャンプの実戦2本目となるホームランを放った。しかし、次打席で凡退したことを反省。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のために、この日チームを離れた兄貴分のダルビッシュ有投手(22)が戻るまで、さらに成長していくことを誓った。

 飛距離ではなく、技で魅せた。2回、先頭で打席に入った中田は、ダースの内角直球に体を回転させながらボールをはじき返した。高く舞い上がった打球は左翼ポール際に着弾。「かなり詰まり気味だったけど、いい軸回転ができました」。実戦5試合目で2本目のアーチに、納得の表情を浮かべた。

 明らかな成長の跡だった。昨年のキャンプ。周囲からはインコースが弱点と言われ続けた。内角の速球と外の変化球で攻められる場面が目立っていた。それだけに「(内角は)課題の1つでした。フリー打撃では(軸回転で)打てても、実戦でできていなかったので、うれしいですね」と振り返った。

 だが、要求されているのはもっと高いレベルだ。梨田監督は「うまく打った。体が反応したね」と評価する一方、続く打席で力ない右飛に倒れた点を「打った後の打席でどう攻められるかというところに注目している。そのあたりを貪欲(どんよく)にいってほしい」と注文をつけた。紅白戦初戦だった9日の試合でも、場外弾の次の打席は変化球に体勢を崩されて右飛に倒れている。本人も「ホームランを打ったからもういいとかじゃなく、次の打席でもいい当たりを打てるようにしたい」と手綱を締めた。

 厳しく自分を戒めてくれたダルビッシュは、WBCのためにチームを離れた。前回のホームランもアニキは練習を早上がりしていたため、結局目の前で1発を見せることはできなかったが「帰ってくるまでに成長していたいです。ダルさんが投げるときには僕がサードですから。そうありたいですね」。日本代表が世界一を目指して戦っているころ、中田は開幕1軍入りへ向けて重要な時期。アニキが戻ってくるまでに、三塁の定位置を奪ってみせる。【本間翼】

 [2009年2月16日10時43分

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