粘投で第1次先発テストに合格だ!

 阪神玉置隆投手(22)が22日、1・2軍合同の紅白戦に先発し、3回を4安打1四球ながら無失点に抑えた。大きく曲がるスライダーを武器に要所を締める投球を披露。真弓明信監督(55)の高評価をゲットし、残り3枠をめぐる開幕ローテ争いに踏みとどまった。

 毎回、走者を背負った。それでもホームは踏ませない。玉置は、なりふり構わずスライダーを多投し、葛城のバットも折った。「先発はゲームをつくるのが仕事。点を与えないのが大事」。土俵際で粘りに粘った。5年目右腕が開幕ローテ争いに踏みとどまった。

 「カウントを悪くして、置きにいったボールが甘く入ってしまって…」。初回、先頭打者に左前打を許した。2回は1死三塁、さらに2死一、三塁のピンチを招く。3回も2死一、二塁の場面があったが、スコアボードに3個の「0」が並べた。「カウントを稼げるし、空振りも取れる」。自信を持つスライダーとチェンジアップを中心にコースを投げ分け、ホームベースだけは踏ませなかった。

 「中継ぎをやっていたから土台がある。ピンチでどうすれば良いかは分かっているつもりです」。プロでの4年間は、リリーフとして1軍戦6試合に登板し、8イニングを無失点に抑えている。主に敗戦処理でのマウンドだが、2軍では昨季フル回転した。中継ぎとして全88試合の半分となる44試合に登板。何度も修羅場をくぐり抜けた。貴重な経験が今、生きている。

 今季は真弓監督の構想もあり、先発転向を視野に入れる。

 指揮官も「良かったんじゃないか。点をやらないところがね。これからも先発争い?

 そうやね」と高評価。石川に阿部、上園、白仁田…。同年代のライバルも多いが、「中でも先発でも、どこでも頑張る」と気合十分。まだまだ道のりは遠いが、開幕ローテ入りの大目標に少しずつ歩みを進める。【佐井陽介】

 [2009年2月23日10時56分

 紙面から]ソーシャルブックマーク