<オープン戦:中日2-6西武>◇11日◇小牧

 スタメン中堅争いに殴り込みだ!

 中日小池正晃外野手(28)が11日、西武とのオープン戦(小牧)に初めてスタメン出場して1本塁打を含む4打数3安打2打点と大暴れした。これまで中堅争いは藤井淳志外野手(27)、野本圭外野手(24=日本通運)がリードする形だったが、横浜時代にスタメンを張ったこともある実力者が待ったをかけた。

 小池の思い切りのいいスイングから生まれた打球は中堅へぐんぐん伸びて、バックスクリーンへ飛び込んだ。7回無死から西武岩崎の初球、真ん中高めの直球。絶好球を逃さなかった。

 「これまであまり打席に立っていなかったので(初球から)見ていくと差し込まれる。とにかく振っていこうと思いました」。

 オープン戦11試合目で初のスタメン起用。これまでわずか6打席だった。第1、第2打席の連続安打はいずれもファーストストライク。少ないチャンスを逃がさない意志が感じられた。

 今季1つだけ完全に空いているポジションが中堅だ。これまでは打率5割超と絶好調の藤井、ルーキーながら安定した打撃を見せる野本がリードしてきたが、小池も間違いなく候補者だ。2月の沖縄キャンプでは本職の外野の他に三塁、一塁で落合監督のノックを受けた。首脳陣にゲーム終盤に守備固めで起用するプランがあることは明らかだ。

 「これが僕の生き方ですよ。今までこういう役割を求められたことがないので楽しい。戦力として見られていることがうれしい」。

 昨年6月、横浜からトレード移籍した小池もプロとしての自分の生きる道を理解し、三塁、一塁用のグラブをメーカーに発注した。この日も6回からブランコに代わって一塁を守るなど万能ぶりを見せつけた。

 ただ、試合後、小池の口からは選手としての本音が飛び出した。「そりゃあスタメンで出たいという気持ちはあります」。3つのグラブを持つ万能プレーヤーは器用さゆえにスタメン争いの中で影が薄かったが、あらためて実力を証明。05年に20本塁打した経験は藤井、野本にはないものだ。

 「きょうは結果も出たし、僕にとっていいアピールができたと思います」。プロ11年目の実力者が存在感を示したことで、藤井、野本を加えた中堅争いがますますヒートアップしてきた。【鈴木忠平】

 [2009年3月12日10時56分

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