ロケットスタートは切れなくても、WBCのように最後は頂上に立ってみせる。巨人原辰徳監督(50)が27日、都内ホテルで財界人による激励会「燦燦(さんさん)会」に出席し、命懸けでリーグ3連覇を果たすことを誓った。開幕前の大事な時期に指揮官がチームを離れた今季は、苦しい戦いを強いられるのは覚悟の上。28日のオープン戦での本格復帰を前に「サムライジャパンは卒業した。今度はペナントレースで命懸けで戦い、3連覇を目指す」と言葉に力を込めた。

 巨人はシーズン開幕を1週間後に控えた今、決してV3を楽観視できない状況にある。エース上原が抜けた先発陣の駒不足、WBC組5人のコンディション…。監督不在でキャンプとオープン戦を過ごしたチームに、ロケットスタートを切るための明るい材料は少ない。それでも、原監督は「命懸けで戦う」と言い切った。そして、WBCでのイチローの苦闘を、巨人になぞらえてシーズンへの決意を示した。

 原監督

 あのイチローも最後は記憶に残る一打を放ちましたが、それまではほとんど打ちませんでした。じっと我慢するのも大事なこと。いいスタートを切れなくても、見ている方には我慢していただきたい。

 サムライジャパンは韓国と5度の死闘を繰り広げ、粘りに粘って2大会連続の世界一を手にした。戦いの舞台は変わっても、勝利への執念や粘りの大切さに違いはない。「我慢していただければ、最後は必ずいい結果が出ると思います」。ハラハラドキドキさせたとしても、最後は必ず日本一に輝くことを約束した。【広瀬雷太】

 [2009年3月28日7時57分

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