<中日2-3巨人>◇18日◇ナゴヤドーム

 首位巨人がラッキーボーイの1発で中日に連勝した。18日、中日戦(ナゴヤドーム)に「2番二塁」で今季初スタメンに起用された寺内崇幸内野手(25)が大仕事。2-2の8回、チェンから左翼に決勝ソロを放った。この一打が3年目にして、うれしいプロ初アーチ。17日、2本塁打の李承■に代わり、「6番一塁」に入ったアルフォンゾも2安打1打点と結果を残した。日替わりオーダーが機能し、この試合まで13イニング連続無失点だったチェンを攻略。貯金は早くも5に増えた。

 何より、打った本人が驚いていた。寺内は、プロ入り後、初めて単独でヒーローインタビューを受けた。はち切れんばかりの笑顔。喜びのあまり、声のトーンが上がった。

 寺内

 打った瞬間、どこに飛んだか分かりませんでした。体が震えちゃって。自分の打球じゃないんじゃないかと。

 2-2の8回1死。フルカウントになり、バットを握る位置を微妙に変えた。いつも、こぶし1個分、短く持つバットを、さらに数センチ短くした。「四球でもいい」。とにかく、つなぐ気持ちだった。さらに短く持った分、インハイの145キロを、うまくさばいた。全力で走った。フェンスオーバーを知り、小さくガッツポーズしたときには、すでに二塁手前に達していた。

 プロ3年目。規定打席未満ながら、昨季は62試合に出場して打率3割1厘。堅実な守備に、打撃も成長した。転機は昨年5月。1軍昇格を果たす直前、岡崎2軍ヘッドコーチ(当時)の「バットを短く持ってみろ」という言葉だった。

 破壊力満点の巨人打線。長打を打つ選手は、たくさんいる。1軍に上がり、結果を残すには、どうすればいいか。進塁打やバント、エンドランはもちろんファウルで粘り、四球で出塁するスタイルしか生き残る道はなかった。しつこい打撃を身に着けろという助言に、素直に耳を傾けた。「野球選手である以上、本塁打を打ちたい気持ちはあります。でも、自分の役割を理解してチームの勝利に貢献したい」。

 オフのウエートトレーニングで、パワーアップ。試合前のフリー打撃で柵越えも打つ。目安となるようバットのグリップにテープを巻き、その上を握り、シャープに振るスタイルを確立させた。しかし「もう、感覚をつかんだので」と、この日のバットにテープは巻かれていなかった。

 速球派チェンに対し、原監督は「(寺内は)速い球には対応力がある」と見抜いていた。前日2本塁打の李に代え、迷わず打率1割台のアルフォンゾも起用。2安打で、左腕チェン攻略の糸口をつくった。指揮官の起用が的中し、連勝で貯金5。首位を走るチームにスキはなかった。【古川真弥】※■は火へンに華

 [2009年4月19日9時4分

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