<ロッテ7-10日本ハム>◇4日◇千葉マリン

 涙のち笑顔だった。日本ハム稲葉篤紀外野手(36)が、いつもの「さわやかスマイル」で3連勝を呼び込んだ。6回1死。先発多田野の乱調で5点リードを3点差に縮められ、嫌なムードが漂っていた直後だった。小宮山の変化球に反応した打球は、一直線に右中間席中段へ飛び込んだ。「投手を楽にしようと思った」。2戦連続5号ソロは、両軍26安打の乱打戦の方向性を決める1発となった。

 5月の風とともに、苦悩が吹き飛んだ証しだった。前日3日西武戦。延長12回、自身2度目の劇的なサヨナラ弾を放った。お立ち台ではボロボロと涙を流すほど、感極まった。「あとは思い切っていくだけだからね」と吹っ切れた。感動も覚めやらぬまま札幌から千葉へと移動。3戦連続延長戦を終えた疲れと興奮からか、目がさえて深夜2時に就寝し、午前8時30分に起床。勢いそのままに、連日の価値ある快音を響かせた。

 珍しい号泣シーンに知人からは「感動した」などのメールが殺到したという。一夜明けたこの日は、「オレの気持ち分かってくれる人なんて、いないよ」と照れくさそうに笑い、涙はなかった。2安打1打点で、チームの8戦ぶり2ケタ得点へと導いた。梨田監督も「フリー(打撃)通りみたいだった」とご満悦。首位楽天にも1差と迫った。勝負強さが戻った稲葉の5月攻勢が、始まった。【高山通史】

 [2009年5月5日9時36分

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