<日本ハム9-1中日>◇13日◇札幌ドーム

 中日山本昌投手(43)が今季最短の1回1/3を5安打6失点で降板した。2回に1死から四球を挟んで4連打。2回を持たずにKOされた。史上2位、そしてセ・リーグ新記録の22年連続勝利もお預け。204勝左腕が今季2度目となる2軍降格のピンチに立たされた。チームは勝率5割に逆戻りとなった。

 ベテラン左腕はセンター前に落ちる打球を見つめて首をかしげた。0-3で迎えた2回、1死一、二塁。山本昌はカウント1-0から3番糸井に112キロカーブをはじき返された。二塁走者の田中が本塁に走り込み、4点目を献上。マウンドで交代を告げられると、右脇にグラブを挟み大きく深呼吸をしてベンチに下がった。今季最短KO劇に「申し訳ありません…。球自体は悪くない?

 そうでもない」と、おぼろげな表情でバスに乗り込んだ。

 2軍降格のピンチに立たされた。試合後に落合監督は「収穫はネルソンだけ」と2番手として6回2/3を7安打3失点に抑えたネルソンを褒めた。先発山本昌へのいら立ちは明らかだった。現在、中日の先発投手陣は12日に右腕山井が1軍に合流し、余裕がある。交流戦終了までは十分にまかなえる頭数がそろっている。また、左肩の張りで2軍調整中の左腕チェンも回復途上。山本昌が2軍落ちしてもおかしくない状況だ。

 今季はもがき苦しんでいる。今季初登板の4月12日、広島戦(マツダ)では自己最多失点となる4回10安打10失点で降板。翌13日に2軍降格となった。仕切り直しとなった6月6日のロッテ戦(ナゴヤドーム)では6回2/3を8安打4失点。勝ち星がどうしても手にできない。女房役の谷繁も「1年目、2年目の投手じゃない。本人じゃないから分からないが、自分でコントロールできるはず」と首をかしげた。

 王手をかけていた記録もお預けとなった。山本昌はプロ初勝利を挙げた88年から21年連続で白星を記録中。今年も勝てば史上2位、そしてセ・リーグ新記録の22年連続勝利となる。だが、記録のかかったマウンドで年齢21歳差のダルビッシュに対して、独り相撲で自ら幕を引いてしまった。チームの交流戦自力Vも消滅。204勝左腕が2軍降格のがけっぷちに立たされた。【桝井聡】

 [2009年6月14日12時9分

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