<セCS第1ステージ:中日2-3ヤクルト>◇第1戦◇17日◇ナゴヤドーム

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージが開幕。リーグ2位の中日が同3位のヤクルトに競り負けた。

 中日落合博満監督(55)は、険しい顔で会見場に現れた。負けた後ほど穏やかな笑みを浮かべるスタイルを、この日は封印。「質問、ないだろ。短期決戦というのはゲーム内容じゃない。勝ったか、負けたかだけ。ゲーム内容は、まるっきり関係ない。それが鉄則だ」。初戦を落とした現実を、正面から受け止めた。

 CS開幕前日の練習を欠席するなどV逸決定後は放任主義を貫いてきたが、満を持して「静」から「動」にシフトした。2点リードの6回1死一塁、カウント2-3から一塁走者ブランコを走らせる積極策で、和田とのランエンドヒットを成功させた。さらに一、三塁から、谷繁の3球目には無警戒の相手バッテリーのスキを突いてスクイズを命じた。ファウルで得点できず、結果的に痛かった。1点への執念を見せつけたが、1点差に泣いた。

 指揮官はCSを前にこう話していた。「巨人、巨人というけど、そこを見てたらやられる。そんな、甘いもんじゃない」。チェンを第2Sに温存する手もあったが、第1戦に先発させた。左肋骨(ろっこつ)を骨折していた藤井も7番右翼に抜てき。打てる手は打ったが、沈んだ。もう負けは許されない。笑みを封印した会見は、がけっぷちからの逆襲宣言でもあった。【村野森】

 [2009年10月18日10時39分

 紙面から]ソーシャルブックマーク