プロ野球コンベンションが18日、東京都内で開催され、セの新人王は育成出身の巨人松本哲也外野手(25)、パはソフトバンク摂津正投手(27)が選ばれた。

 巨人松本の新人王は、長い球史の中でも記録的な栄誉だった。巨人の2年連続新人王は57年藤田、58年長嶋以来。昨年の山口に続いて、育成出身が2年連続で受賞したのは初のケースとなった。「名選手の中に入ることができうれしい。(山口に)続こうと思ってやってきた」。得票数197と、オビスポを190票引き離しての偉業だった。

 平たんな道のりではなかった。07年に育成で入団した3年目。昨年1軍昇格を果たしたが、初打席の走塁時に骨折。背番号も47から64に変更となった。「落ち込んだ時期もあったが『これではダメだ』と思ってやってきた」と振り返った。両手の皮が完全にめくれるまで打ち込む練習量で、不動の2番打者にのし上がってきた。

 来季の目標を「3割クリアに盗塁王」と定めた。秘めた思いもある。即戦力の評価を受けるドラフト1位のホンダ・長野が入団する。「ポジションを渡す気はありません。石にしがみついてでも守ります。休んでる暇はありません」。変わらないハングリー精神。19日からジャイアンツ球場で練習を再開する。【宮下敬至】

 [2009年11月19日8時19分

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