前阪神の今岡誠内野手(35)がロッテで骨をうずめる覚悟を固めた。3日、入団テストを受けていた沖縄・石垣島のキャンプ地で合格決定。背番号はバレンタイン前監督がつけていた「2」で再出発することになった。フリー打撃終了後、西村監督から合格を告げられ「心の底から感謝という気持ちです。ここが最後の球団になることは間違いない。この思いを必ずバットに込めて結果を出したい」と、少し目を潤ませた。

 阪神では首位打者や打点王のタイトルを獲得。だが昨年、ここ数年の守備の不安から戦力外通告を受けた。11月の12球団合同トライアウトに参加したが契約には至らなかった。このオフは「ユニホームを着るか着られないかの勝負」と、シーズン中と全く同じ練習メニューをこなしてロッテの入団テストに備えた。

 キャンプ初日から打撃では持ち味の右方向への当たりを連発し、この日も柵越え1本をマーク。課題の守備、走塁ではノックを難なくこなして動けるところをアピールした。

 当初は第1クール最終日の4日に合否を決定する予定だったが、4日にサインプレーがあることから1日早い発表となった。西村監督は「実績のある選手。一番の魅力は打撃。パ・リーグはDHがあるのでやってくれる力がある」と期待を寄せた。

 4日に石垣島入りする瀬戸山球団社長と入団交渉を行う。年俸は昨季1億6000万円の10分の1以下となる1500万円まで落ち込むとみられる。背番号は球団から「2」と「44」を提示され、自ら若い番号を選んだ。「前監督の番号を背負うということは期待もあるし、責任もある。それだけの覚悟です」と言い切った。阪神で一時代を築いた男が新天地で意地を見せる。【鳥谷越直子】

 [2010年2月4日8時17分

 紙面から]ソーシャルブックマーク