<中日0-3広島>◇2日◇ナゴヤドー厶

 広島野村謙二郎新監督(43)が、今季の対外試合5戦目で初勝利を挙げた。2日、中日とのオープン戦(ナゴヤドーム)で、6回に相手のミスにつけ込み3点を奪って勝ち越し。先発前田健ら5投手が中日打線にわずか1安打しか許さず3-0の完勝劇。昨季8勝16敗と大きく負け越した相手との開幕シリーズ“前哨戦”で快勝した。

 指揮官の言葉ははずんでいた。今春キャンプから練習試合とオープン戦を合わせて対外試合5試合目での「初勝利」。しかも、同一リーグで昨季8勝16敗と大きく負け越した中日に、同じく3勝8敗と鬼門だった敵地ナゴヤドームで3-0の完勝だ。

 「そりゃあ、負けるより勝つ方がいいですよ。理想はどんどん打ってという形ですが、徐々にチームのいいところも出始めていますから」。

 6回だった。1死から天谷が右前打で出塁すると、ボークで二進。さらに四球と死球で2死満塁となり、7番広瀬に代打嶋を送ると、中日3番手金剛が暴投し、労せず先制した。ここで嶋が右前に落とす2点適時打で好機をしっかりとモノにした。

 投げては先発前田健以下の5投手が中日打線をわずか1安打に抑える完ぺきなリレーを見せた。そして、野村監督の期待に見事に応えた。

 もちろん、この時期の勝敗はそれほど重視していないが、それでも苦手相手の開幕シリーズ“前哨戦”に快勝したことは大きい。

 野村監督には昨季、野球評論家時代に見た中日戦のイメージが強く残っていた。「負け越しているけど、いつも競った展開でこちらにはなかなか点が入らず、ワンポイントでひっくり返されているような」印象があった。この日、ベンチで選手らと話していても、同じ感想だったという。だからこそ「3点取ったあとすぐに1、2点返されると嫌な感じだったが、今日はよく抑えてくれた」と投手陣をたたえた。

 2回1死、二走のフィオレンティーノが、遊ゴロの一塁送球間に抜け目なく三塁を奪うなど、機動力を生かしたスキのない野球も披露。背番号77は「リードの大きさやサインへの反応などをみても(各選手は)考えながら塁上にいる。少しずつ課題を試合の中で生かせるようになってきた」と浸透しつつある野村イズムに手応えを得た。「これからもこういうゲームを続けたいね」。開幕までにさらにチームを磨き上げ、昨季までとの“違い”をライバルに見せつける。【高垣

 誠】

 [2010年3月3日11時46分

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