<阪神0-1西武>◇7日◇倉敷

 V奪回を狙う西武が、開幕前に故障者続出の大ピンチだ。正捕手候補の銀仁朗(22)が7日、阪神戦(倉敷)で走塁中に左ひざを負傷。「大腿(だいたい)骨骨挫傷」と診断され、緊急帰京した。3月に入って、4番中村が自打球で右目眼窩(がんか)底を骨折したほか、守護神最有力候補のグラマンが開幕アウト、中継ぎの新戦力工藤も左ひじ故障。チームから、主力選手が次々と離脱する非常事態に陥った。

 銀仁朗がアクシデントに襲われたのは5回だった。遊ゴロを放って一塁に駆け込んだが、送球がそれてタッチをされた時に体勢を崩し、倒れ込んだ。自力で歩けず、河田守備走塁コーチに背負われ退場。倉敷市内の病院で精密検査を受けた。佐々木チーフトレーナーは「今のところ、靱帯(じんたい)などに異常はなく、数日で痛みが引いたら試合には出られると思う」と説明した。

 銀仁朗は松葉づえをついて病院から戻り「ひざを伸ばすと痛いけど、早く治して試合に出たい」。京都から駆けつけた両親が心配そうに見つめる中、気丈に振る舞って帰京した。8日にも再検査するが、痛めたのは初めてのところ。捕手はひざに負担がかかるポジションで、不安を抱えて開幕を迎えることになる。

 悪夢の1週間だった。46歳工藤が左ひじに張りを訴えた2日から故障トラブルの連続に、渡辺監督は「ケガばっかりは、しょうがない」と厳しい表情だった。キャンプは順調だったが、4番、守護神、正捕手候補とチームの柱が相次いで離脱。2週間を切った開幕前に計算が大きく狂い、頭を抱えるしかなかった。

 [2010年3月8日9時12分

 紙面から]ソーシャルブックマーク