<阪神1-2巨人>◇14日◇甲子園

 3年ぶりの大役を狙う巨人内海哲也投手(27)が阪神戦に先発し、6回を5安打1失点に抑える力投で首脳陣に猛アピールした。D・ゴンザレスとの一騎打ちが注目されている開幕投手争いは、今回の結果を踏まえて近日中に原監督が判断することになるが、内海は「やれることはやった。あとは体調を整えて、開幕に投げられることを祈ります」と、スッキリとした表情を浮かべた。

 宮崎キャンプ中は球威不足に悩んだものの、帰京後に試行錯誤しながら続けた投げ込みの効果が早くも表れた。この日の最速は145キロをマークし「下半身を使えるようになり、去年よりも体からボールに伝わる力が増したと思う」と満足そうにうなずいた。新球カットボールも実戦で使える手応えをつかむなど、収穫の多い登板になった。

 今季から選手会長も任されている左腕は「追い込んでからの決め球の精度がまだ甘いし、シュート回転するボールがあるのも課題です」と、反省することも忘れなかった。開幕投手について、原監督は「あまり早く決めるのもねえ。これからじっくりと考えます」とけむに巻いたが「しっかりと良い状態に仕上げてきましたね」と目を細めた。内海の“最後のお願い”が強烈な印象を残したのは、間違いなさそうだ。【広瀬雷太】

 [2010年3月15日8時32分

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