攻める、攻める!

 阪神城島健司捕手(33)が、巨人へのリベンジ3カ条を掲げた。13日からの巨人3連戦(東京ドーム)を控えた12日、敵地東京に移動。6日から行われた甲子園での初激突は1勝2敗と負け越し。雪辱に向けて(1)初球で逃げない(2)四球を出さない(3)ソロ本塁打は覚悟の上と、攻略のかぎを示した。本塁打が出やすい東京ドームだからこそバッテリーが逃げずに攻める「城島スタイル」を貫く。

 逃げて、かわしては、戦えない。13日から敵地東京ドームに舞台を移して再び行われる「伝統の一戦」。1週間前の甲子園では1勝2敗で負け越した。ただリーグ3連覇中のチームを体感したことで城島の頭に相手の特徴が刻まれた。

 城島

 巨人に対する違和感は全然ない。得点パターンは大体、把握できた。1度対戦しているので、地に足をつけてやっていける。(初対戦は)探り探りの状態で、知らない打者が多すぎた。前回はこうだったということは覚えているし、配球もできてくる。裏の裏もかけるし、表もある。

 その上で敵地での雪辱戦に向けて3カ条を掲げた。

 (1)初球で逃げない。甲子園での3連戦では、巨人に30安打を許した。そのうち11本が初球被安打。カウント0-1からの4本を含めれば、実に全安打の5割がファーストストライクを狙われたもの。「僕がこれだけ(初球ストライク)といっている以上、向こうもスコアラーさんがいる」。初球の傾向が相手に分析されていることは織り込み済み。だからといって完全なボール球は要求しない。「初球の入り方を気をつけなきゃいけないが、ただボールのつもりは全くない」。

 (2)四球は出さない。巨人打線は強打者がずらりと並ぶ。特定の打者との勝負を避けてもピンチは終わらない。「四球で逃げても解決しない。その打者は逃げられてもより苦しくなっていくばかり。こういう時こそ攻めて、ストライクをとっていかなきゃいけない」。

 (3)ソロ本塁打は覚悟の上。城島は「四球と本塁打は避けられる」がモットーだ。しかし本塁打が出やすい敵地でG打線を本塁打0に封じることは簡単ではない。「東京ドームは気は使う。本塁打はある程度覚悟していかなきゃいけない。本塁打よりも四球を避けたい。あんなに狭いから1人走者を置いたら2ランになる」。一発を警戒しすぎて大量失点のリスクを招くよりも、一発を浴びた場合にダメージを最小限に食い止めることの方を重要視する。

 甲子園では3試合で3盗塁を許した。自慢の「鬼肩」で1番坂本、2番松本の足を封じれば、チームの勝利もグッと近づく。城島はグラウンドの司令塔として打撃、配球、スローイングでフル回転する構え。「倒さなければいけない」と表現する巨人に対して、敵地でも攻撃的な「城島スタイル」で臨む。【益田一弘】

 [2010年4月13日11時27分

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