<ソフトバンク2-8西武>◇20日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが、弱点をを浮き彫りにする大敗で4位に転落した。1点差に追い上げた直後の8回、救援陣が大炎上。セットアッパー摂津は登板過多を避けるため、この日は勝ちゲーム限定要員となっており、接戦で投入できる中継ぎ陣の層の薄さが明確になってしまった。左翼を守るホセ・オーティズ内野手(32)もミス連発と何とも後味の悪い1敗。貯金3到達失敗も4度目。課題克服が上位進出には欠かせない。

 秋山ホークスの不安が、そのまま結果に表れた。8回表だった。直前に西武を追い上げビハインドを1点に詰めていた。ベンチは2番手に、ここ3試合無失点だった甲藤を投入。だが、期待は、もろくも崩れ落ちた。甲藤は1死から2番原に四球。3番栗山に中前安打されると、4番中村には左前安打。1死満塁のピンチを招いたところで、サウスポー三瀬を左打者のブラウンにぶつけたが、痛恨の左前適時打。1点を争う展開で、勝利の女神にそっぽを向かれた瞬間だった。

 秋山監督

 8回だな。あのへんを抑える投手が出てこないとな。1点差でいける投手がな。みんなチャンスあるのにな。その中で、甲藤は一番いい状態で(抑える)可能性が高かった。うまくいかないな。

 くしくもこの日、中継ぎ強化を目的に横浜吉川のトレード獲得が発表されたばかり。負けている展開で登板できる存在として、白羽の矢を立てた投手だが、その弱点が際だった格好だ。

 セットアッパー摂津の選択肢は、この日に限り、延長突入か勝ちゲームに限定されていた。摂津はここまでチーム最多の13戦登板。この日のようにリードされている展開で6連戦の初戦に登板したケースは今季1度(3月30日)あるが、その6連戦期間中に4度もマウンドに上がった。高山投手コーチは「登板過多を避けるため。それも調整しないと。まだ120試合あるから」と説明。頼れる右腕の故障を未然に防ぐため、調子を上げていた甲藤に託した一手は実らなかった。

 救援陣炎上での大敗。貯金3到達に失敗は、これで4度目だ。天敵岸の前に打線も6回まで無安打とふるわなかったが、負けているケースでのリリーフ陣整備は急務の課題。貯金は1に目減り。何とも後味の悪い夜、サヨナラ勝ちのオリックスに抜かれ、6日ぶりにBクラスの4位転落という現実が構えていた。【松井周治】

 [2010年4月21日11時20分

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