<広島2-6日本ハム>◇16日◇マツダスタジアム

 広島がまたも、投壊で敗れた。1点先制した直後の2回、先発今井啓介投手(22)が金子誠に逆転2ランを浴びて降板。2軍に降格した。先発陣が序盤に崩れて負けるパターンは相変わらずで、野村謙二郎監督(43)も「策を練らないといけない」と断言。この日、育成選手のディオーニ・ソリアーノ投手(27)を支配下登録することも決定。チームは今季最多タイの借金9に膨れ、2軍戦で好投を重ねる左腕が先発候補に浮上した。

 目を覆いたくなるような惨状がまたも展開された。白昼のマツダスタジアム。1点先制した直後の2回に暗転する。2死二塁。今井が投じた甘い直球は、日本ハム金子誠のえじきになった。フルスイングで仕留められ、ライナーでバックスクリーン左へ。悪夢の逆転2ランを浴び、野村監督も早々と見切りをつけた。

 「同じことの繰り返し。ストライクが入らず、2死だけど(ストライクを)とりにいった球を打たれている。先発投手だけど、思い切りの良さが出ていない。腕の振りも違っていた」。

 前回登板の8日阪神戦(甲子園)でも3点リードした3回に4失点し、逆転を許してしまった。この日も優位な展開をガラッと変えてしまった。3度の先発で結果を残せず、試合後に2軍降格を通告された。交流戦に入っても変わらず、先発陣が耐えられない。指揮官も「先発は正直、苦しい。打破しようとして(今井を2回で)変えた。策を練らないといけない」と頭を抱えた。

 打線も反撃できず、今季最多タイの借金9に膨れ上がった。現状を打開するためにフレッシュな戦力が必要だ。2軍では育成枠2年目ソリアーノが6試合に登板して3勝2敗、防御率2・27と好調を維持。15日にオリックス迎と広島喜田、長谷川の1対2交換トレードが決まり、支配下登録枠が1枠空いた。そこに伸び盛りのドミニカ共和国出身の左腕が登録されることになった。松田オーナーもこの日「登録されることは決まっている」と話した。

 大野ヘッド兼投手コーチも「(先発の)候補になるね」と説明。シュルツが腰痛で2軍に降格したこともあり、1軍外国人枠にも支障はない。早ければ交流戦中に、1軍の先発マウンドに立つことになりそうだ。今季6勝の前田健をのぞけば、不安定な状態が続く。最速147キロとチェンジアップを武器にするソリアーノが、上位浮上の起爆剤になる。【酒井俊作】

 [2010年5月17日11時58分

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