<中日1-2ヤクルト>◇14日◇ナゴヤドーム

 中日落合博満監督(56)が3戦連続KOとなった朝倉健太投手(29)の2軍降格を決めた。土壇場9回、あと1本出ればサヨナラ勝ちの場面まで迫ったが及ばず。巨人に3連勝した後のもどかしい敗戦だった。

 「いいのか、悪いのか、わからん。どれが本当の朝倉健太なのかわからん。まあ、明日からいないよ」。

 試合後、指揮官はこう切り出した。指摘したのは先発朝倉の投球だった。3回に四球をきっかけに1点を先制されると、4回にも2死三塁から連続四球で満塁のピンチを招いた。ここでベンチは8連戦の初戦にもかかわらず、朝倉を見切って継投を決断した。

 1失点の先発投手が4回未満で降板するのは今季初。ここ2戦連続で5回もたず、先制されるとそのまま大量失点というKO劇を繰り返してきた朝倉に対し、首脳陣は早めに“タオル”を投げ入れた。この後、左腕三瀬がガイエルに押し出し四球を与え、最後までこの2失点が重くのしかかった。

 「ボールに力がない…。(交代は)僕が決めることじゃないですから」。3回2/3を2失点で6敗目。抹消の通告に朝倉は厳しい表情で球場を後にした。「本人がどう思って投げているのかわからん。ベンチで見ている限りは(状態が)悪いけど、それを本人がどうとらえているか。まあ(2軍の)ナゴヤ球場で走ってもらうか」。球宴まで残り7戦、落合監督は登板機会のない朝倉に2軍での走り込みを命じた。首位追撃のためにも悩める右腕の奮起を期待していた。【鈴木忠平】

 [2010年7月15日12時3分

 紙面から]ソーシャルブックマーク