<広島11-12巨人>◇29日◇マツダスタジアム

 広島が驚異的な粘りを見せながら巨人に惜敗した。9回。3点差になり、勝負は決したかに見えたが岩本貴裕外野手(24)が意地を見せた。2死二塁で、浮足立つ守護神クルーンの外角速球を強打し、左翼席最前列に放り込んだ。

 「追い込まれていてつなごうと思いました」。サヨナラ勝ちを呼び込んだ28日に続き、クルーンから2発目の13号2ランで1点差に迫った。さらに一、二塁の同点機を築いて期待は膨らんだが、梵の右飛で1歩及ばなかった。それでも、最大4点差を一時は逆転するなど何度も詰め寄った打線の反撃ぶりに野村監督は「非常にいい粘りを見せてくれたし、嫌らしさを見せてくれた」と評価した。

 今季初の月間勝ち越しはお預けになったが、攻めに攻めた。6回、1点リードされ、なお2死満塁で長野のライナーに中堅天谷がダイビングキャッチを試みて後逸。3点を失ったが野村監督は「捕りにいって責めることはできない。僕はいいと思う」と話した。

 [2010年8月30日12時9分

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