<ソフトバンク1-4日本ハム>◇11日◇福岡ヤフードーム
日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)が、CS圏へ最接近させる快投だ。9回を6安打1失点の完投。最多奪三振のタイトルを争うソフトバンク杉内とのエース対決を制し、36日ぶりの11勝目を挙げた。ここ4試合は勝ち星がつかなかったが、負けられない戦いが続く終盤にエースとして十分の働きを見せた。これでチームは単独4位に浮上。3位ロッテに1ゲーム差に迫った。
怒りのマグマが噴出していた。ダルビッシュが鬼の形相で、最後はマウンドを下りた。自身初の無四球完封勝利目前の9回。先頭打者の松中に四球を出し、1点を失った。「あそこまで投げて。9回まで任せてもらったのに完封しないと…」。厳しく自戒しながらも、完全無欠の完投勝利。米4球団が視察した前での自身5戦ぶり白星は、大黒柱のなせる業だった。
秀逸な組み立てで、ソフトバンク打線を粉砕した。最速151キロの速球を生命線に、様子見の無駄球を減らし、ほぼストライクゾーンの奥行きを使って堂々と勝負した。ポイントは川崎ら、くせ者ぞろいの左打者。ほぼ同球速の140キロ前後のカットボールとフォークで幻惑した。12三振の内訳は、左打者から9個を量産と圧巻だった。
今季2度目のエース杉内との投げ合い。「相手は意識していなかった」が、力と頭脳で渡り合った。最多奪三振のタイトルを争うライバル対決で、自身シーズン最多の今季11度目の2ケタ奪三振を達成した。相手打線に8回5失点で敗れた前回対戦では高速チェンジアップを多投。その幻影を生かし、クレバーに雪辱した。「1人1人が考えてやれば大丈夫」。プロ6年目で日本一1度を含むリーグV3度の中心にいた、常勝エースの真骨頂だった。
CS圏に1差と肉薄。内なる戦いにも、真っ向勝負しながら役目を遂げた。ターゲットは潜在能力を認め、かわいがる中田。6回に2点適時打で援護を受けたが、そこまでプロ初失策を犯し、2三振していた。「2三振でエラーもして、21歳で(途中交代で)守備固めって…。あいつ、ボーッとしている」。ソフトバンクだけでなく浮かれ気味の後輩までも絞め上げ、追撃ムードを完ぺきに仕上げた。【高山通史】
[2010年9月12日10時49分
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