ロッキーズ傘下コロラドスプリングズで今季を終えた松井稼頭央内野手(35)が日本の球団に比重を置いて来季移籍先を考えていることが25日、分かった。「日本の方をちょっと重視してるかなというのはあるかもしれません」と話した。横浜、オリックスなどが興味を示し、二塁が補強ポイントの巨人なども浮上してきそうだ。松井はこの日、都内のグラウンドでオフの自主トレをスタートし、体幹トレーニング、ティー打撃などで汗を流した。

 3A最終戦となった9月4日サクラメント戦以来となる打撃練習で、松井は気持ちよさそうにバットを振った。左右で50スイングずつ、計100スイング。みっちり汗をかくと「今日は球を打ってどうこうというのではなく、しっかり体を回して振るということ。(球団から)お声がかかったときにしっかり動けるように体をつくっておきたい」と、今オフ自主トレに意欲を見せた。

 そんな松井が今後の方向性について話しはじめた。日米両国の球団どちらに比重を置くかと聞かれた時だった。「どうですかね。難しい質問ですね。両方を視野に入れて考えていかないといけないし」と、あくまで“日米”と前置き。その上で「でも日本の方をちょっと重視してるかなというのはあるかもしれません」と話した。

 ただ現時点では「日本の球団からのお話?

 ないです」。というのもシーズン後に代理人から送られてきた書類で、現時点ではまだフリーエージェント(FA)となっていないことが判明。「まだFAになってないんで。ゆっくりしたオフを過ごしてますよ」。ワールドシリーズ後5日間のうちにFAとなる申請を行い、それから各球団との交渉をスタートさせる。

 所属先が決まらぬままの自主トレ開始にも「メジャーでやってきて、今までもそういうケースはありましたから。FAだったりとか。自分が今できることをしっかりやっていくだけです」と不安はない。この日はコンビを組んでから4度目のオフを迎える宮本英治氏(元西武、巨人トレーニングコーチ)とともに体幹、肩甲骨回りの筋肉などを強化。さらにランニング、ティー打撃と約3時間、密度の濃い練習を行った。

 「(来季所属先は)フタを開けてみないと分からない。僕は待つ身ですから。自分で選びたいという頭はない」という。10月23日に35歳の誕生日を迎えたが「35歳?

 アメリカじゃベテランにも入らないんじゃないですか」。まだまだ老け込む年ではない。来季も走攻守3拍子そろった稼頭央の勇姿が見られるはずだ。

 [2010年10月26日8時37分

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