日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が登板を予定する10日のフリー打撃で、中田翔内野手(21)と“対戦”する見通しとなった。梨田昌孝監督(57)が3日、斎藤の打撃投手の投球順を、中田の打撃練習に合わせることを示唆した。実現すれば、06年夏の甲子園以来のマッチアップとなる。斎藤はこの日、ブルペンには入らず軽めの練習で、キャンプ第1クールを無事終了した。

 梨田監督は前向きだった。斎藤のフリー打撃登板での中田との“対戦”に「先のことはまだ分からないけど。やれるんなら、そこで」と話した。

 キャンプ中のフリー打撃登板は、1人の投手が打者2~4人に対して投げることが多く、タイミングによってどの打者に当たるかは流動的だ。ただ、梨田監督は実戦型の投手は主力級の打者に投げさせる方針を持っている。斎藤に関しては「昨日(2日のブルペン)もストライクゾーンを確かめたり、スライダーをバウンドさせたり、打者をいろいろ見ながらできるタイプの投手」と、まさに実戦型として評価している。

 そこで浮上したのが、期待の若手中田だった。昨年はプロ初アーチを含む9本塁打。今キャンプでも柵越えを連発している。「(プロが)大学生が打てない球をどう打ってくるのか確かめたい。プロのレベルがどう違うのか」と話す佑ちゃんには、格好の相手になりそうだ。

 2人は高校時代、06年夏の甲子園2回戦で激突。早実3年だった斎藤は、大阪桐蔭の1歳下中田を4打数無安打3三振と圧倒。その勢いで楽天田中率いる駒大苫小牧を下して日本一に輝いている。だが、時は過ぎた。プロ3年間で実績を積んだ中田との“再戦”は、プロの打者を知る上で貴重な参考資料になる。梨田監督も「物差しにはなるね。(甲子園の方が名護より)球場は大きいけど」と話した。

 この日の斎藤は、ブルペン入り翌日で軽めのメニューだったことを見越し、朝にはポール間走6本を自主的に行った。ケッペルとは英語で話し、ダルビッシュとは手の大きさを比べて「意外と小さかったです」。初のプロキャンプでも自分のペースをつかみ「けっこうチームの雰囲気が分かってきました」と、和やかな表情を見せた。

 フリー打撃で中田との“対戦”の話を聞かされても冷静だった。「1人だけを意識するわけではないので。打撃投手なので軽く打たせるという感じですね」。勝負事ではないものの、豪華な競演となることだけは間違いない。【本間翼】

 [2011年2月4日7時40分

 紙面から]ソーシャルブックマーク